先日、アピアランスケアの研修で「ネイルケア」と「ウィッグケア」について学びました。
ネイルケアの内容を聞きながら、看護師として働いていた頃のことを思い出しました。
退院間近の患者さんに「この爪に市販のネイルを使ってもいい?」と聞かれることが何度かありましたが、当時の私はきちんと答えることができず、いつも「先生に確認しますね」と返すしかありませんでした。
今思うと恥ずかしい話ですが、あのときの自分の焦る気持ちと、患者さんの「そっか…」という、なんともいえない表情は今でも心に残っています。
今回あらためてネイルケアを学び、治療中でも負担の少ないケアや、爪の変色・割れやすさへの具体的な対処法を知ることができました。
そして何より、「ネイルは治療中でも楽しめるツールなんだ」と気づけたことが、私にとって大きな学びでした。
ほんの少し爪先に色をのせるだけで気分が明るくなったり、自分を大切に思えたりする。
そんな“ささやかな自分らしさ”を取り戻すサポートが、ネイルケアにはあるのだと思います。
また、特に印象に残ったのは、「夏場はウィッグが本当に暑くてつらい」という声でした。
ウィッグを使う毎日には、想像以上の我慢や工夫が必要で、「当事者にならないとわからないことが、こんなにもあるのだ」と改めて気づかされました。
今回の研修では、そんな日々を少しでも快適に過ごすためのヒントもたくさん得ることができました。
通気性のよい素材の選び方や、頭皮のムレを軽減する方法、ウィッグ生活を楽にするちょっとした工夫…。
こうした知識は、見た目を整えるだけでなく、「日々を心地よく、自分らしく過ごす」ための大切なケアだと実感しました。
これからも、外見のケアを通じて「その人らしさ」や「安心できる時間」を届けられるように。
学び続けながら、優しく丁寧に向き合っていきたいと思います。