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アピアランスケアを発信する理由

こんにちは☺
看護師経験を活かした、
安心とやさしさとプライベートサロン‐minu(ミヌ)‐
セラピストのRieです

お読みいただきありがとうございます☺

今回は、私がアピアランスケアに関心を持つようになった原点についてお話しします
大切な人の病気、看護の現場、自分自身の心の変化
そのひとつひとつの経験が、今の私の活動へとつながっています

 

高校生の頃、母が乳がんと診断され、手術・抗がん剤治療を受けました。
疲れやすさ、脱毛や皮膚の変化といった副作用がある中でも、母は外来受診の際は明るい色の服を着て、メイクをして、つけまつげを使いながら、気持ちが前向きになる工夫をしていました。
「気分が上がるように明るい服を着るようにしているんだよね」と話していた母の姿が、今でも心に強く残っています。

私は、のちに看護師となり、大学病院の乳腺・甲状腺外科・血液内科の病棟で勤務する中で、化学療法に伴う外見に変化が生じていく患者さんと数多く出会いました。


治療により脱毛が始まる頃、ウィッグの案内をするのが病棟の慣例となっていましたが、ケア帽子のパンフレットを渡したり、隣病棟に来るウィッグ会社さんの来院日を案内するという、どこか“形式的”な対応に、違和感を感じることもありました。
実は、母もかつてウィッグの試着時に心ない言葉をかけられた経験があった話を聞いたことがあり、その記憶が私の中に残っていたのかもしれません。

また、治療中の爪の変色や皮膚トラブルなど、命に直接関わらない悩みに対しては、現場の忙しさの中で十分な支援が難しく、私自身、強いジレンマを感じていました。
質問を受けても十分に答えることができず、「すみません、先生に聞いておきますね」と伝えるしかない場面もありました。
患者さんの感じる不安を十分に聞けず、時間厳守の抗がん剤投与や点滴交換、鳴りやまないナースコールの対応、重症度の高い患者さんへケアが優先される。


その後、看護師を退職して企業保健師として働く中で、社会で治療と両立しながら働く方々と出会いました。

治療を続けながらも、当たり前のように仕事を続けている方々と出会い、「がんと共に働く」という現実がそこにあることを身近に実感しました。
一方で、病棟で関わっていた患者さんたちは、その後どのように社会に戻っていったのか。

当時、看護師としてそこまで支援しきれなかった自分に、後悔の気持ちが湧き上がってきました。

「命に関わらないこと」だからこそ、病院では後回しにされやすい。けれど、それで本当に良いのか。後回しにしたとしても、その後は十分にサポートが受けられるのか?
患者さんの“その人らしさ”や尊厳は失われていないのか?
このような思いを少しずつ抱くようになりました。

ちょうどその頃、私自身もメイクを学びはじめ、自分のコンプレックスだった左右非対称の目元が、ちょっとした工夫で気にならなくなり、心が軽くなる体験をしました。

外見を少しでも整えることで、自分の気持ちが軽くなり、自然と前を向けるようになる。
「美容には、心を支える力がある」と、身をもって感じたのです。

外見の変化が心に与える影響をまずは自分自身が強く感じたことが、大きな転機となり、美容の力を医療や看護の視点から役立てる方法を探しはじめました。

そして出会ったのが、「アピアランスケア」という考え方です。

アピアランスケアとは、がん対策基本法においても支援領域のひとつとされている、がん治療に伴う外見の変化に対する医療的・心理的支援です。
医療現場ではまだ十分に認知・実践されていない分野ですが、治療と向き合う方の「その人らしさ」を守る大切なケアだと私は考えています。

医療現場では、治療の安全性と効果が最優先される一方で、近年の短期入院化や業務の多忙さもあり、外見の変化やそれに伴う心理的影響にまで丁寧に寄り添う時間が確保しづらいのが現実です。

しかし、外見は単なる見た目の問題ではなく、「その人らしさ」や「社会とのつながり」を表すものでもあると思います。脱毛や皮膚の変化など、治療に伴う外見の変化が、患者さんの自己肯定感や生活の質(QOL)に大きく影響を与えることが、近年さまざまな医療・看護の現場で少しずつ認識されるようになってきました。

私は、外見の変化に対して適切なケアが提供されることで、
「気持ちがふっと軽くなる」
「また自分を大切に思えるようになる」
そんな心の変化が確実に生まれると信じています。

医療の手が届きにくい部分に、美容やアピアランスケアの視点からきちんと手を差し伸べることは、“その人らしさ”を守ることにつながります。
そして、少しでもこれまでと変わらない日常を過ごせることは、心の安定を支える大切な要素であり、生きる上で欠かせないことだと私は考えています。
だからこそ私は、この分野に取り組む意味と必要性を強く感じているのです。

がん治療中の方はもちろん、治療を終えたあとも、外見の変化や気持ちの揺らぎと向き合いながら、日常を取り戻そうとしている方がたくさんいます。
「もう治ったのに、どうしてまだ気になるんだろう」
そんなふうに、自分の気持ちに戸惑っている方も少なくないのではないでしょうか。

患者さんが「その人らしさ」を保ちながら、前を向いて治療と向き合えるように。
その想いを、今の私にできる形にしたのが、病院外の場所、「minu」でのアピアランスケアエステです。

この施術は、かつての母のように
「少しでも前向きに過ごしたい」
「自分らしさを大切にしたい」
と願うすべての方に届けたいと思っています。

看護師としての経験そして一人の患者家族としての経験を通じて、
外見の変化に悩んでいる方の悩みを解決をしていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
必要としている方に、私の活動が届きますように。

Rie